第15章 悪夢の始まり
『あっ、中原さん!今から買い出しなんですが、、、』
「なら、俺も一緒に行ってもいいか?」
『はい!』
「仕事はだいぶ慣れたか?」
『はい、少しずつですが皆んなに教えてもらってなんとかって感じです』
「そうか、善かったな」
『中原さん、無理されてませんか?』
「ん?」
『私に毎日逢いに来てくれて凄く嬉しいです。でもお仕事もあるのに無理してないかなって』
「ふっ、、、、俺がしてぇからしてんだ。気にすんな」
『あんまり無理しないで下さいね』
「ああ」
俺のことを気にしてくれるはあの時と同じだ。
記憶はなくとも、はなのだと実感した。
そんなこんなで他愛のない話をし乍らの買い物に付き合い、探偵社へと送り届けた。
俺にとってはこの時間が癒しであった。
「じゃあまた明日くるからな!」
『はい、待ってます。"中也さん"!』
「ッ!!おう!」
が下の名前で呼んでくれたのだ。
さん付けは相変わらずだが、、、、。
それでも嬉しかった。
胸から込み上げてくる感情を必死に抑え込み、と別れた。