第11章 約束
「悪いな、、、、」
『ッ!』
俺はを気絶させ、倒れる彼女の身体を抱き寄せた。
----愛してる。
心の中でに伝えた。
もう一度を抱き締め、俺は彼女を教授眼鏡に託した。
「これだけは約束しろ、だけは命懸けで守れ。」
安吾「勿論です、太宰くんからもそう云われていますから、、、」
「頼むぞ」
教授眼鏡に抱えられているにもう一度目をやった。
---説教ならあとからいくらでも訊いてやるから待っててくれ。
俺はの姿を目に焼き付け、その場を後にした。
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『んっ、、、』
安吾「さん目が覚めましたか?」
身体を起こす私を支えてくれる安吾さんの表情はとても固かった。
『安吾さん、中也は、、、?』
安吾「さん、落ち着いて訊いてください。中也くんは、、、」
『そんな、、、』
中也は兄さんを助け出し、澁澤を排除する依頼を安吾さんから引き受けたことを、、、。
突然室内にサイレンが鳴り響いた。
男A「特異点異常値上昇!6年前の5倍、、、5,5倍!異常値上昇止まりん!」
男B「正面モニター画面が出ます」
安吾「A5158の現在位置は!」
「おたついてんじゃねぇ、サンピン!」
スピーカーから中也の声が聞こえた。
安吾「中也くん、恐らく太宰くんは既に排除されています。この意味が判りますね?」
安吾さんの言葉に私は絶望した。
兄さんが死んだ、、、、?
「構やしねぇよ。」
安吾「いいのですか?報酬である僕の命を貴方はまだ受け取っていない。」
「思い上がるなよ、コラ。六年前の手前は下っ端の潜入捜査官だ。澁澤の投入に反対しても聞き入れられなかったんだろ?こいつは奴の戯れ事だ。太宰はあの中にいる。間違いねぇ。一発殴らねぇと気が済まねぇんなよ。」
安吾「ッ、、、、。」
『中也っ!!!』