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綺麗な薔薇には棘がある

第11章 約束


「今日はやけに静かだな。」

『そうだね。』

久しぶりの静かな夜だった。

俺は煙草を吸い、死んじまった仲間達へゆっくり休めよ。と心の中で呟いた。

その時だ、、、、

『中也、肩使う、、、?』

彼女の言葉に吃驚し、吸っていた煙草を落とした。

まさかからそんな言葉が出てくるとは、、、

彼女からそんな言葉が出たのは恐らくアイツの影響だろう。

悔しいが、アイツに少し感謝した。

「少しだけ、、、貸してくれるか?」

『うん、、、ッ!』

俺は彼女を腕の中へ引き込んだ。

ふわっと香る甘い香り、の温もりが俺を安心させた。

それと同時に途端に涙が溢れ出した。

後悔とともに、俺はある決意をした。

だけは絶対に守ると、、、、

暫くの肩を借り、落ち着いた頃合いで彼女を解放した。

「ありがとな、エマ、、、、」

『大丈夫。』

自然と互いに視線が重なり合った。

自分でも驚いたことに無意識に口が動いた。

「手前だけは絶対に守る。絶対にだ、、、」

『じゃあ私も中也を守る。』

「ふはっ、そりゃ頼もしいな。」

の言葉につい笑ってしまったのだ。

面白い奴だ、普通なら"はい"で返す筈だろうに、、、、

強い彼女だから云える言葉だろう。

キョトンとするの頭を撫でてやれば、表情が和らぐ。


改めてが好きだと実感した。

そして絶対に彼女を守ると決めたのだ。  



それが六年前の"あの約束"なのだ。


まさか覚えていてくれたなんて、、、、。

俺だって一度も忘れたことはない。


もうあんな後悔はしたくない。

俺が終わらせる、、、、

だけは必ず俺の手で守る。





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