第10章 六年前の悪夢
スクリーンに映し出される人物にに一瞬息が止まった。
"彼"が復活したのだ、、、、。
自然と両手に力が入った。
敦「さん、、、大丈夫ですか、、、?」
私の様子が変だと感じ取った敦くんが心配して声をかけてくれたのだ。
『うん、大丈夫だよ。ありがとう。』
敦「それなら善かったです。もしなにかあれば云って下さいね!」
敦くんの言葉に頷き、私は六年前のことを思い出したのであった。
あの悪夢を、、、、
"龍頭抗争"
ヨコハマ裏社会史上、最悪の八十八日。
あらゆる組織を巻き込んで吹き荒れた血嵐。
私の記憶の中ではこの抗争を超える抗争はないだろう。
多くの人間が死んだ。
裏社会の人間だけではない、一般人も巻き込んだ。
そして中也の仲間が死んだ。
この時、私は初めて彼の涙をみた。