第1章 素直になれなくて(舞&光秀&家康)R18 有
は、出来上がった羽織りを渡すタイミングを見計らっていた。
光秀さんなかなか部屋にいないし…。
羽織りを持ちながらソワソワと中庭やら、廊下やらを歩き回っていると すると後ろから声をかけられた。
「ねぇあんた、朝からうろうろと目障りなんだけど。」
「家康…。そんな冷たい事言わないでよ」
「はぁ…その羽織、良く出来てるね。光秀さんの?」
「えっ?何?そうだけど、えっ?なんでわかったの?」
「顔に書いてあるし、バレバレだよ。何で光秀さんなんか好きなの?」
「私好きなんて言ってないじゃん。光秀さんに訓練して貰ったお礼に作っただけだもん」
が慌てて答えるも家康にはお見通しのようだった。
「あのねぇ…今のの様子、三成以外なら誰が見てもわかるよ。光秀さんなんて、何考えてるか分からないし、裏の仕事もしてるから、必要以上に近づかない方がいいと思うけどね。」
「光秀さんは何考えてるかわかんないけど…優しいから…。」
「へぇ~それは光栄だな」
と後ろから光秀が現れた。
「…!!!」
が口をパクパクさせながら驚いてると、耐え切れず家康が笑った。
「!その顔…。ちょっとやめて…(笑)」
「俺を探してたんじゃないのか?」
「…!!!」
探してたのに、ばったり出くわすと心の準備が出来ていなかった。
「おいで」
と言い、光秀は自分の部屋へ手を引いて連れて行った。