第2章 私の居場所(家康)
「お帰りなさい光秀さん」
「ただいま…、部屋においで。」
「はい」
光秀の部屋の中の様子が気になる家康。
部屋の前を無意味に家康は通りかかるわけにもいかず、光秀の部屋でが何を話しているのか気になった。
二人が恋仲だとは思わないが、光秀が、の気持ちに気付いていないわけはないと思っていた。
そのまま自室に戻れずにいるとが、光秀の部屋を泣きながら出てきた。
(えっ?。)
バレないようにやり過ごしその後の部屋に何食わぬ顔で行った。
「?入るよ?」
「あ、家康!?どうしたの」
は泣いていなかったが目が腫れていた。
「?泣いたの?何かあった?」
「あは、目にゴミが入ってさ、さっき流して来たの」
は分かりやすい。
気を遣わせないようにとおもったのだろうだが、は嘘が下手だ。
「光秀さんとこ行ってたんじゃないの?」
見ていたとは言わずに推測したかのように告げた。
「うん・・・そう。」
「何かあったの?」
「何もないよ」
目をそらすの両方のほっぺをやさしくつまんでひいた。
(ぷっ、大福みたい。)
「ひへひゃすぅ、なにしゅふのぉ~」
(家康何するの?)
「ごめ…可愛くてつい」
可愛いという言葉に反応したのか、少し照れたが家康をジッと見ながら言った。
「そーゆー揶揄ったり、触ったりするのは好きな女の子にした方がいいよ」
から、らしからぬ発言が出て家康はハッとした。
家康の笑っていた目が急に真面目になり、はドキッとした。
「・・・。だからしてるんだけど?」
は目をまん丸にして、「え、…。」と驚いた様子で、顔を赤くし、ぽかんとしている。
「それ反則だから」
の様子に家康は思わず、を抱き締めた。
「何してんのって、家康…?」
言葉は抵抗しているように聞こえるが、それに相反して全く体は抵抗はしてこない。
の鼓動がどんどん早くなる。
「なんで泣いてたのか、教えて。じゃなきゃ離さないよ」
「…。」
「ねぇ、?」