第2章 私の居場所(家康)
「どうしたの?」
「あぁ家康!おはよう~、ちょっと光秀さんの所にね」
「部屋の花を変えるんだ。」
「そう!」
「でも光秀さんしばらく戻らないけど」
「うん、知ってる。でもなんとなく、枯れたお花そのままっていうわけにもいかないしね」
「そうやって、お花生けながら待ってるんだ」
「そういうんじゃないよー。でもなんか願掛けみたいな感じかな?無事で戻りますようにっていう」
「ふーん。光秀さんに習った馬術とか、弓道とか練習しているの?」
「うん、今は三成君が見てくれているよ」
「そっか、ケガしないでよね」
「うん、頑張って、家康に迷惑かけないようにする」
「そうじゃない。手当が面倒とかじゃないよ」
「はは、そっか、優しいね」
素直に笑う君を見ていると癒される。
「手当はいくらでもしてあげるし、気にしないでいいから…ケガが心配なだけ。」
「ありがとう」
満面の笑みで花を抱えたは目の前から去って行った。
多分自身も自覚はないのかもしれないけど、でも心の中ではは光秀さんを想っているんだろうなって見てれば分かる。だからつい嫌味を言ったり揶揄ったりしてしまう。
本当は俺の気持ちに気付いて欲しいって思って。
(俺って小さい男だな)