第1章 素直になれなくて(舞&光秀&家康)R18 有
宿に着くと、おいでと、光秀の膝に座らされた。
「光秀さん、ありがとうございました、助けてくれて」
「俺が帰って欲しくなかった。身勝手な行動でお前をこれからも危険に晒す事にはなるが」
「構いません」
「こうやって…本当はお前を沢山甘やかしてやりたかった」
後ろから髪を拭いてもらいながら、頭を撫でられると気持ちよすぎてトロンとなった。
振り返ると、
「まだ途中だぞ」と額に優しく口付けられた。
思わず口にもして欲しくなったが、急に後ろから首筋を軽く噛まれピクんと体が正直に反応した。
「可愛過ぎるな」
くるんと体を返され、そのままあっという間に唇が奪われた。
ずっとこうしたかった…。
思わず自分も積極的になる。
クチュクチュと水音を立てだんだん激しく舌を絡ませながらお互いを求めあった。
頬を掴んでくれる手は優しいのに、光秀の舌が執拗に攻め込んでくる。
「ちゅっ んは……っ。」
余りにも深く口付けすぎて息が出来なくなり口を離すと吐息が漏れた。
「はぁ」
は自分でも目がハートになってるんじゃないかと思うくらい、光秀を見る目が潤んで熱くなっていった。
切れ長の目に長いまつ毛、あまりに美しい顔が自分にだけ向けてくれる愛しそうな表情に脳内が痺れてきた。
「、そんな顔を他の男に向けては駄目だぞ。特に家康にはな」
あまりに光秀に見惚れていて「へ?」と間抜けな声が出た。
「ぶふっ」思わず吹き出す光秀。
「、ズルいぞ!」
訳が分からないが、いつもキリッと表情を崩さない光秀がまた、自分で笑ってくれてるのが嬉しかった。
馬鹿にした笑いではなく癒されてるかのような砕けた表情では安堵した。
(スパイみたいな仕事してる光秀さんが素になれるなら、笑われても良いや!)
「、続きは、帰ってからにとっておくか。」
「嫌です。さっきので萎えちゃいましたか?」
「いや?そんなことはないぞ。お前といると飽きない」
「もぅ、光秀さん」
ほっぺを膨らませるともう片手でムニッと捕まれた。
「もとより途中で辞める気はない」と、そのままもう片方の手で帯紐をするりととられ、襟をあっさり開かれた。