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【おそ松さん】六つ子達が危険すぎる【R15】

第1章 過ち




「おそ松兄さん…」

カラ松くんが小声でポロッとおそ松くんの名前を呼んだので、私たちのところへ向かってきている人物はおそ松くんなのだろう。

背中から視線を感じる。どうやらおそ松くんは私の死角から近寄ってきているみたいだ。
だ、大丈夫かな。体、ちゃんと男になってるかな。

「…その子、誰?」

「え、えっと…この子は…」

もう振り向いても大丈夫かな。
心做しか、髪が短くなって頭が軽くなったような気がする。
身長もカラ松くんたちと同じくらいになったし、今の私ならきっと…。

「は、初めまして…立花…えっと、春馬って言います!」

「…え、男?さっきまで隣にいた子、女の子じゃなかったっけ?」

う、やっぱり薬を飲む前の姿も見られちゃってたんだ。
でもこのおそ松くんの言い方的に、まだ確信を得てないみたいだから、適当に誤魔化してみよう。

「や、やだなぁ、男ですよ!僕…」

「えー?スカートだった気がするんだけど…」

「そ、それはきっと…幻覚です」

「幻覚ぅー?」

体だけじゃなくて、身にまとってる服も一緒に男性になってくれたから、ギリギリ助かったけど、おそ松くんはまだ私のことを怪しんでいる様子だった。

「…ま、別にどうでもいいけど、結局そいつは誰なわけ?お前らの友達?」

「そ、それは…」

さっきの自己紹介だけじゃ、さすがに説明が足りなかったか。

別に二人の友達だって言ってもいいけど、どうせこれから一緒に松野家に行くことになるんだから、お世話になることを事前に説明しておいてもいいだろう。

「じ、実は…!」

…でも、過去のおそ松くんは私のことを毛嫌いしてたからなぁ。
ここで説明しても大丈夫なのかな。

過去の記憶は曖昧だけど、「六つ子の中に割り込みやがって!」って、一番内心で思ってそうだったのは、おそ松くんだった気がするし…。

「………」

「…なんだよ、実はって」

「あ、あー!もうお母さんから話聞いてるかもしれないんだけど、実は僕ーーー」

おそ松くんにこれから嫌われる可能性があったとしても、松野家に泊まる未来は変えられないので、私はおそ松くんに事情を説明することにした。

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