第6章 そっち系?
「ーーー春馬くんって、おそ松兄さんのこと…す、好きなの?」
「…え?す、好き…?」
か、カラ松くん…??
何言っちゃってるの…??
そんなわけないよね…!?!
おそ松くんは、私に押し倒されたショックでトイレに篭ってしまったので、おそ松くんを除く私たち六人は、二階の部屋で、各々好きなことをやりながら暇を潰していた。
そんな中、カラ松くんは、周りの目も気にせずに、とんでもない爆弾発言をぶっ込んできたのだが…。
ほ、本気で言ってるの…!?
カラ松くん…!!
「な、何言って…そんなわけないじゃん…!」
「で、でも…春馬くん、おそ松兄さんのこと押し倒して」
「い、いや、あれはおそ松くんが僕に対して…!!」
…いや、ここで本当のことを言ってしまったら、またカラ松くんがおそ松くんのことを殴りに行ってしまうかもしれないから、冷静になろう。
もっと他の言い訳を考えるべきだ。
殴られがちな、おそ松くんのほっぺのためにも。
「…僕、おそ松兄さんが人に押し倒されてるところ、初めて見た」
「え…」
ちょ、チョロ松くんまで何言っちゃってるの!?
まさか、カラ松くんに便乗するつもり…!?
やめてよ、本当に違うだからさ…!!
「意外と積極的なんだね、春馬さんって」
いやいや、違うから!!
そんなんじゃないから…!!
「み、みんな、誤解だよ…!!僕は…別にそっち系じゃ…」
「じゃあなんでおそ松兄さんのこと押し倒してたの…?手首まで掴んじゃって…」
「そ、それは…その…」
カラ松くんからの問いに、私はまた言葉を詰まらせてしまっていた。
い、言えない…。
おそ松くんに「可愛くない」って言ったら論争になっちゃった、だなんて…。