第6章 そっち系?
ーーー夕食前。
トド松くんと仲良く帰宅してから、一人で課題をしていたら、カラ松くんが私に話しかけてきた。
恐らく、カラ松くんはあのことについて私に聞きに来たのだろう。
「…立花さん、なんでうちのクラスに来てたの?」
や、やっぱり…。
私が急いでたせいで、変な空気になっちゃってたもんね。
ごめんね、カラ松くん…。
「じ、実は、忘れ物を…」
「忘れ物?」
一日に二回も忘れ物をしたことまでは、言わなくても大丈夫だよね。
二回目は、カラ松くん教室にいなかったし…。
「う、うん。数学の教科書忘れちゃったから、友達に借りに行こうと思ってたんだけど…たまたま一松くんがいたから、一松くんに…」
「…借りたんだ」
「うん…」
"友達に"というか、本当はカラ松くんに借りに行ってたんだけど、ここでカラ松くんの名前を出しちゃったら、カラ松くんが申し訳なくなっちゃうと思うから、名前は伏せておこう。
「…立花さんと一松って、仲良かったんだ」
「ま、まぁ…それなりに…」
「………」
き、気まずい…。
なんでこんなに空気が重たいんだろう。
もしかして、頼って欲しかったのかな…。
ごめんよ、カラ松くんのこと頼らなくて!
本当はカラ松くんに頼ろうと思ってたんだけど、偶然たまたま教室に一松くんがいたからーーーって、心の中で言い訳したところで意味ないか…。
「…一緒に、課題してもいいかな」
「も、もちろん!一緒にしよ!カラ松くん…!」
「うん…」
一松くんの話をしていた時は、見るからに元気がなかったから心配だったけど、一緒に課題をしていくうちに、カラ松くんは少しずつ元気を取り戻していっていたので、私は密かに安心していた。
これからはちゃんとカラ松くんのことを頼るから、元気出してね、カラ松くん…!!