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【おそ松さん】六つ子達が危険すぎる【R15】

第5章 忘れ物




「…あれ、なんかその体操着、ブカブカじゃね?サイズ間違えちゃってるよ、春奈ちゃん」

体育の授業が始まる直前に、いきなり話し掛けてきたおそ松くんが、私の服の裾をグイグイ引っ張っている。

学校で顔を合わせる度に、私にちょっかいを掛けてくるおそ松くんくんは、きっと暇なのだろう。

「まぁ確かにブカブカだけど、これ私の体操着じゃないから…」

「え、じゃあもしかしてそれ、彼ジャージってやつ?ひえ〜匂わせじゃーん!ヒューヒュー♪」

「か、彼ジャージ…!?違うから!これは友達のだから…!」

「なーんだ、ただの友達かぁ」

とか言いながら、おそ松くんは私の背中に乗ろうとしていた。

おんぶして欲しいのかな…。
私の力じゃどう頑張っても無理だから、おんぶして欲しいなら他の人を当たって欲しいんだけど…。

う、こ、腰が…!!

「……なんか、春奈ちゃんの体操着から、一松の匂いがするんだけど」

「え」

す、鋭い。

使ってる柔軟剤は同じだから、洗濯後の服の匂いは六つ子みんな同じだと思ってたけど、意外とそんなこともないのだろうか。

一松くんの匂い…って、そもそもどんな匂いなんだ。
松野家の匂いじゃないのか、これは。

「ねぇこれってもしかして一松の」

「こら、そこ授業中に遊ばない!!」

「す、すみません…!!」

って、なんで私だけ謝ってるんだ!!

おそ松くんが、授業中にちょっかいを掛けてくるから、先生に怒られてしまったじゃないか…。

おそ松くんはいつも悪さばかりしてるから、怒られ慣れてるのかもしれないけど、私は先生に怒られることとか滅多になかったのに…おそ松くんめ…。

「あーあ、怒られちったね」

「だ、誰のせいだと思って…」

「んー、春奈ちゃんが男の体操着、着てるせい?」

「違うでしょ!」

「こら、そこ!!」

「はい、すみません!!」

ま、また怒られてしまった。
なんでこんなことに…。

「今のは春奈ちゃんの声が大きかったせいじゃない?俺だけ悪いわけじゃないよね?」

「………」

…否めない。

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