第4章 双子
ーーー放課後。
トド松くんに「え」と言われてしまってから、私は恐怖でずっと授業中もドギマギしてしまっていたけれど、結局彼は一度も話し掛けてこなかった。
でも後ろからの視線は痛かったから、絶対に「アイツと同じ顔だー」って思われてるような気がするんだけど…うーん、もしかして気付いてないのかな…。
「…え!?」
あ、雨だ!!なんで!?
これから帰ろうと思ってたのに…。
午後から外がやけに薄暗いなぁとは思ってたけど、なんでよりによって放課後に降ってくるんだ。
教室の色んな場所から、「うわ雨だ」「マジか傘忘れたー」という声が聞こえてきている。
トド松くんはチョロ松くんのところへ行ったのか、教室には残っていなかった。
おそ松くんは…い、いない。
よし、今ならカラ松くんに会いに行ける。
そして、傘に入れてもらおう!
持ってるか分からないけど!
立ち上がって荷物をまとめながら、帰る準備をしていると、私のスカートがなぜかいきなり後ろから捲れ上がった。
「えーい!」
「わっ!?!」
すすす、スカートめくり…!?
この時代に…!?!犯人は誰だ…!?!
「わ〜白だ〜♪」
おおおおおそ松くん…!?!
焦って振り向くと、私の背後にはしゃがみながら満足そうにしているおそ松くんがいた。
いつの間に!?
さっきまでいなかったのに…忍者なの!?
というか、前世ではそんなことしてこなかったよね!?
おそ松くんがスカートめくりしてる現場は見たことがあるけど、前世では標的が私に向くことはなかったのに…!!
家に泊まってるのが私から春馬に変わったから、未来が変わっちゃったってことなのかな。
さすがに同じ家にいる人のパンツを見るのは気まずい的な…??
よく分からないけど、高校生にもなって、スカートめくりはやめてよね!!
おそ松くん…!!
「ちょっ、ちょっと…!」
「あっはは〜♪ごめんごめん♪そんな怒ん…って、ええ…!?!」
「あっ…」
しまった。
スカートめくりされてついつい怒っちゃったけど、おそ松くんにはまだ顔を見られていなかったから、ここは適当に無視しておくのが正解だったのかもしれない。
やらかした…。
「え…」
ば、バレたかな。
もしかして、おそ松くんにもバレちゃったのかな…。
私が、春馬の双子だって…。