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【おそ松さん】六つ子達が危険すぎる【R15】

第3章 ファーストキス




ーーー暑い。体がすごく熱い。

え、なんでこんなに暑苦しいんだろう。

今日は涼しい夜だったのに。
一晩で高熱でも出ちゃったのかな。

ゆっくりと閉じていた目を開けてみると、そこには寝ている十四松くんの顔があった。

え…ち、近い。というか、向かい合いながら寝てたんだ、私たち。

でも、目の前にいる十四松くんは全然暑そうにしてないから、やっぱり私の体がおかしいのだろう。

一体、どうして…あ、まさか…!!


『11時間経った辺りから副作用で体が熱くなってしまうのでーーー』


そ、そうだった。思い出した!!

昼間に飲んだあの性別を変える薬には、変な副作用があるんだった。
体が熱くなるっていう…いや熱いどころの騒ぎじゃないんだけど!?

なにこれ、溶ける!!死んじゃう!!

誰か助け…。

「…さっきから何してんの、アンタ」

「︎︎ぁ…じゅ、しまつく…」

「はぁはぁ」言いながら、もがき苦しんでいた私がうるさかったのか、寝ていた十四松くんが起きてしまった。

も、申し訳ないな。
せっかく十四松くんも、ぐっすり眠っていた様子だったのに…。

私の顔をジーッと見つめている十四松くんが、不思議そうに私の頬に手を伸ばしている。

あ、十四松くんの手、冷たい…。

「は?汗かき過ぎじゃ…熱っ…!なんだこれ…!」

「くすり…っ、薬の、ふくさようが…」

「薬の副作用…?……あ…」

公園での会話を思い出したのか、十四松くんはハッとして黙り込んでいた。
目を泳がせながら、十四松くんが何やら考え込んでいる。

あと1時間経てば、私は女に戻るから、しばらく我慢していたら、この暑さも自然と治まるのだろう。

しかし、このままだと私がうるさくて、他のみんなも起きてしまうかもしれない。
声を抑えていても、深夜の会話は危険だ。

ど、どうする…。
やっぱり我慢するしかないのかな…。

「ーーー我慢、できる?」

「…ん…?」

なんて、言ったんだろう。
私の耳が悪くなってしまったのか、前半が全く聞き取れなかった。

「我慢できる」って…何を…?

心做しか、いつもの強気な低い声と違って、今の声は震えていたような気がしたんだけど…幻聴だったのかな。

まぁ、恐らくだが、彼は「あと1時間の辛抱だから我慢できる?」みたいなことを言っていたのだろう。

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