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【おそ松さん】六つ子達が危険すぎる【R15】

第3章 ファーストキス




ーーー眠れない。

十四松くんが真隣にいるせいだろうか。

寝心地が悪いとか、そんなことは一切ないんだけど、不安だからかな。
それとも、男の子だ寝るのか初めてだからかな。

私はまったく眠れなかった。

どうしよう。
明日からは、ちゃんと学校に行こうと思ってるのに。

私だけ寝坊とか絶対に嫌だ。
というか、私はあと数時間で女に戻っちゃうから、誰よりも早起きして薬を飲み直す必要があるのに…寝坊したらおしまいだ。

今すぐに寝よう、今すぐに…。

「………」

ね、眠れない…!!なんで今日に限って…!!

…十四松くんはもう寝ちゃったのかな。

まぁ、さすがにもう寝てるだろうなぁ。
なんて思いつつも、私は薄目で隣を見てみることにした。
すると…。

「…え…」

目が合った。

寝ているはずの、十四松くんと…って、え?

どういうこと?
十四松くん、なんでこっち見てるの?
いや見てるというか、正確には睨んできてるんだけど…ええ…??

目開けながら寝てるの!?
それとも、起きてるの…!?

「…なに見てんだよ」

「ぁ…ご、ごめん…」

起きてたんだ…。しっかり起きてたんだ…。
十四松くん、いつからこっち見てたんだろう…。

もしかして、十四松くん私のこと好きだったりーーするわけないか。

「…寝ないの?」

「こっちのセリフ」

「十四松くんも、明日学校だよね…?」

「別に俺はサボるからどうでもいい」

「だ、ダメだよ、新学期早々、学校サボっちゃ…」

「アンタには関係ないだろ」

「それは…そうだけど…」

青春できるのなんて今だけなんだから、どうせなら学校にいっぱい行って楽しんでおきたいじゃん。
っていう考え方は、さすがに大人目線すぎるかもしれないけど…。

…なんて言ったら、十四松くんは学校に行ってくれるんだろう。

「…こっち見んな」

「十四松くんが先に見てたんだよ」

「俺は見てねぇし」

「ウソだ」

「嘘じゃない」

「ウソだ」

「…もういい、寝る」

「あ…」

素直じゃないなぁ〜もう…。

…でも、十四松くんと話して少しだけ気持ちが落ち着いたし、私も今日は寝よう。
「なんで過去に戻ってきちゃったんだろう」とか、考えたって仕方のないことだ。

私はもう、あの頃には戻れないのだから。

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