第3章 ファーストキス
「電気消すから、みんな布団入って」
「………」
チョロ松くんが電気を消す係なのだろうか。
他の五人は立ち上がっているチョロ松くんを横目に、静かに布団の中に潜り込んでいた。
電気を消してくれたチョロくんに、誰も返事をしないだなんて…。
いつもこんな感じなのかな…。
って、え?みんな…向きバラバラで寝るの!?
並んで寝るんじゃなくて!?
「…立花、入って」
「あ、ありがとう…十四松くん」
私が寝るスペースを確保してくれた十四松くんが、寝転がりながら布団を捲ってくれている。
カップルの添い寝かな…??
「お、おやすみ…」
「…おやすみ」
今は私の性別が変わっているとはいえ、男の子の隣で寝るのはちょっと緊張しちゃうけど、これもきっと慣れだ。
慣れたら何とかなるはず…!
何とか…。