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【おそ松さん】六つ子達が危険すぎる【R15】

第3章 ファーストキス




どうしよう。
末弟のトド松くんに泣かれてしまったら、私は兄たちの反感を買ってしまうかもしれない。

みんな、なんだかんだ言って、前世でもトド松くんのことすごく大切にしてた記憶があるから…これはまずいぞ。

な、泣かないで…!お願い…!
私、床で大丈夫だから!!
布団いらないから…!!

「僕…知らない人の隣で寝るのイヤだよぉ、チョロ松兄ちゃん…」

「あー、大丈夫大丈夫、あの人にはトド松の隣じゃない方で寝てもらうから……ちなみに一松は」

「んー無理かも」

「だよねぇ…」

チョロ松くんの問いに対して、食い気味に無理だと言った彼の名前は松野一松くんだ。

明るくて爽やかな松野家の四男だけど、そんな一松くんにも思い切り拒絶されてしまう私って…。

…仕方がない。
こうなったら、もう布団の中で寝るのは諦めよう。

最初は眠れないかもしれないけど、慣れたら硬くて寒い居間でもぐっすり眠れるよね、きっと。

「あの、カラ松くん、わた…僕、布団なくても大丈夫だから、居間で…」

「コイツは俺の隣で寝るから、二人の邪魔にはならねぇよ」

そう言って今まで静かにしていた十四松くんは、私の肩を優しく掴んできた。

「え…?」

十四松くん、なんか定期的に何回も「あ"ぁ?」って言いながらメンチ切ってくるけど、多分、根はすごくいい子なんだろうな…。

彼だって、私の隣とか絶対に嫌だろうに。

この重い空気に耐えかねたのか、十四松くんはぶっきらぼうに「だからもういいだろ、この話は」とおそ松くんに言っていた。

「はぁ?十四松の隣ぃ?」

納得行っていなさそうな長男が、眉間に皺を寄せながら十四松くんのことを見つめている。

おそ松くんは今すぐにでも、私にこの家から出て行ってもらいたいと思っているのだろう。

「俺、すみっこだから誰の邪魔にもならないよ、おそ松兄さん」

「……ま、好きにしたら。俺関係ないし」

顔にはデカデカと「納得いかない」と書いてあるが、口だけでも受け入れてくれたおそ松くんは、きっと多分いい人だ。

でも…この兄弟、口を開けば言い争いばかりで、このままじゃ仲直りなんて出来そうにないな…。

カラ松くんは優しい口調で「いつもこんな感じだから、気にしないで」と言っていたけれど、本当になんでみんな仲悪くなっちゃったんだろう。

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