第2章 お世話になります
体を触られるのがくすぐったくて、ずっと笑いを堪えていたから、私はただ椅子に座っていただけなのにかなり疲れてしまったけれど、無事に洗い終わったので、私たちは湯船に浸かることにした。
何も見えないから、正直めっちゃ怖いけど、二人がずっとそばに居てくれてるから、きっと大丈夫だよね。
あぁ、お風呂暖かい…疲れが取れる〜…。
「二人とも、ありがとう…」
「う、うん…」
「…別に、大したことしてねぇし」
十四松くんはツンデレなのかな。
前世ではあんまり会話してこなかったから、みんなの性格とか好きな物とか何も分からないけど、きっとカラ松くんと十四松くんは優しい子なのだろう。
でも、だからといって深く関わりすぎてしまったら、私の体が危うくなってしまうから、会話は最低限に抑える必要がありそうだ。
二人が私に恋愛感情を抱いているようには見えないけど、前世では約1年間一緒にいて、私が好意に気付かなかったのだから、きっと例の松野くんは感情を隠すのが上手い人なのだろう。
…感情を隠すのが上手い人か。
ってなると、誰なんだろう。
うーん、カラ松くんも十四松くんも、感情が顔に出るタイプだから、好かれてたら分かると思うんだけどなぁ。うーん…。
「………う…」
なんか暑くなってきちゃった。
さすがにそろそろ逆上せそうだから、私はもう上がろうかな…と言っても、二人に手伝ってもらわないと、私は浴槽から出ることすら出来ないんだけどね。
…ん?なにこれ…。
「ひあっ!?!」
「ん?」
あれ、なんか今…変なもの触っちゃったような気が。
カラ松くんの悲鳴のような大きな声が、浴室に響き渡っている。
な、なんだったんだろう、今の不思議な感触は。
や、柔らかい…??
「春馬、くっ…待って、止まって…!」
「ご、ごめん…なんか触っちゃったかな、今…」
「だっ…大丈夫、大丈夫だよ、全然っ…大丈夫…」
ほ、本当に…?本当に大丈夫なの…?
そんなに連呼されちゃったら、逆に心配になっちゃうんだけど…。
でもまぁ、カラ松くんが大丈夫って言ってるから…大丈夫、なのかなぁ。
「…何やってんだよ、立花」
「な、なんか、触っちゃってみたいで…」
「触っちゃったって、どこを」
「えっと、それは…」