第2章 お世話になります
「い…痛く、ない…?」
「ウ、ウン…大丈夫…」
「そ…っか…」
「………」
カラ松くんと十四松くんが、黙々と石鹸を片手に私の体を隅々まで洗ってくれている。
うーん、どういう状況なんだ?これは。
絶対に断られると思ってたのに…。
まさか本当に二人が洗ってくれるとは…。
「…股間は自分で洗えよ」
「こっ、股間って言うなよ十四松…!」
「じゃあなんて言えばいいんだよ!!ちん、」
「あああああ!!!!」
「うっさ!!」
「あ、あはは…」
二人が私の髪の毛を洗ってくれている時は、なんだか美容室みたいで心地よかったけど、やっぱり体はやばいなぁ。
みんな裸だから、なんか悪いことしてる気分になっちゃうし、二人の中に例の松野くんがいたら、もっと大変だ。
二人とも、私の体を触りながら、なにか悪いことを企んでたりしないよね、大丈夫だよね…!?
「…ふっ、ちょっ…十四松くんくすぐったいよ」
「はぁ!?俺じゃねぇよ!!」
「待って、十四松くっ」
「俺じゃねぇって!!」
「二人とも落ち着いて…!」
背中とか腕は大丈夫なんだけど、さすがに腹部とか太ももは笑いそうになっちゃうな…。
でも、二人は親切心で手伝ってくれてるんだから、ここはちゃんと我慢しなきゃ。
冷静に、冷静に…!!
「ーーー何やってんだ…?アイツら…」
遠くでわちゃわちゃしている三人のことを、ボーッと見つめている4人の中の1人が、人知れず静かにそう呟いた。
いつの間に仲良くなったんだよ…。
気持ちわりぃ…。