第2章 お世話になります
目を瞑りながら銭湯に入るのは、さすがに危ないんじゃ…変人扱いされちゃうんじゃ…。
なんて、色んなことを思っていたけれど、私にはキスをする勇気がなかったので、大人しくカラ松くんの言う通り、目を瞑りながら男湯に入ることにした。
「じゃ、じゃあここからは僕が誘導するから、目…瞑っててね、春馬くん」
「う、うん…ありがとう、カラ松くん」
薄目で足元だけを見ながら服を脱いでから、私は瞳を閉じた。
銭湯の熱気が私の体を包んでいる。
視界が真っ暗で、ちょっと怖いけど、カラ松くんが私の両腕を掴みながら私のことを銭湯の中まで誘導してくれているので、私は彼に身を任せることにした。
「こ、ここ…椅子だから、座れるかな。シャワー浴びてもらいたいんだけど…」
「ど、どこ…?」
「ここ…ぁ、ごめ…」
あ、背中辺りに指の感触が…。
恐らく、カラ松くんは私のことを誘導しようと思って、背中を触ってしまったのだろう。
彼の顔は見えないが、声色から動揺しているのがひしひしと伝わってきた。
そんな背中触っちゃっただけで、怯えなくても…。
私も今は男だから、大丈夫だよカラ松くん…!
「こ、ここだよ、春馬くん」
「あ、ありがとう…」
「えっと、シャンプーは…ここにあるから」
そう言って、カラ松くんは椅子に座っている私の手を引っ張って、シャンプーの場所を教えてくれていた。
なるほど、シャンプーはこの位置にあるのか…。
「シャワー、出すから…熱かったら言っ」
「何やってんだよカラ松兄さん。そんなことして、何時間かけてシャワー浴びるつもりなんだよ」
「十四松…仕方ないだろ、春馬くんは…その…」
「じゃあカラ松兄さんが、立花の体洗ってあげればいいだけの話だろ」
「え、ええ…!?僕が…!?」
「…え?」
カラ松くんが…私の体を…??