第3章 A…
自他共に認めるグルメホスト、潤が言ってた通り、ラーメンは滅茶苦茶美味しいくって。
「ご馳走様でした🎶」
ニンニクたっぷりなのはちょっと気になったけど、しっかりスープまて平らげた。
「ちょっと食い過ぎたかも…」
ラーメンだけでも十分なのに、翔に至ってはビールも飲んでるし、ニンニクたっぷりチャーハンまで完食してるんだから、当然…だよね。
「ちょっと散歩でもして帰るか…」
車を〝STORM〟の駐車場に停め、マンションに向かって歩き始めた。
途中、他店のホストさんや、いかにも夜職のお姉さん、それから同業の偉そうな人達とすれ違い、その度に翔は挨拶を交わす。
そんな翔の姿を横で見ていて、僕の胸の中に、絶対表に出しちゃいけない感情が溢れて行くのを感じた。
ヤバ…、こんなに誰かを〝好き〟って思ったの、何年ぶりだろ…
ってか、僕…、やっぱり翔のこと…?
僕は心の声が漏れ出ないように、両手て口を塞いだ。
「どうした? 気持ち悪いとかか?」
「ち、違うよ…。そうじゃなくて…、かっこ良いな…と思ってさ…」
仕事モードがオンになってる時の翔は、お世辞でも何でもなく、本当にかっこ良い。
「ふーん…、惚れたか?」
「えっ…?」
思いも寄らない一言に、僕の時が一瞬止まった。