第3章 A…
結局、翔に押し切られる格好で遊園地に向かった僕。
でもさ、ゲートを潜る直前で、僕は滅茶苦茶後悔した。
だって…
「もう、遅いじゃないのぉ。待ちくたびれちゃった」
ゲートの前には、到底遊園地にはそぐわない、やたらと短いスカートと、下着と間違われそうなくらい、露出がたっぷりのシャツを着た長い髪の女が二人立っていて…
どっちも見知った顔の二人は、僕達(ってゆうか、翔だろうけど…)の姿をみた瞬間、ハイヒールで駆け寄って来た。
「ゴメンね、コイツが支度遅くてさ」
はあ?
何で僕なの?
髪が決まらないだの、靴が気に入らないだの、散々僕を待たせといて?
なのに僕のせいなの?
っていうか…
「ね、ねぇ、どう…いうこと?」
僕は翔のシャツを引っ張り、耳元に口を寄せた。
「あれ? 俺、言ってなかったっけ? 店外デートだ、って」
「え、聞いてない…けど?」
だって、聞いてたら着いて来なかったもん。
てっきり翔と二人だと思ったから、だから…
「そっか、悪い悪い。まぁ、でもこれも仕事だし、な?」
そりゃさ、ホストに完全な休みなんて無いってことは、翔の店で働き始めてから分かったことなんだけどさ。
でも…さ…