第3章 A…
翔との生活(ほぼ家政婦状態だけど…)と、ホストの仕事にも少ーしだけ慣れて来た頃、珍しく僕より先に起きた翔が、僕の部屋(ほぼ物置だけど…)のドアを叩いた。
「何…?」
昨夜飲み過ぎたせいか、若干二日酔い気味の僕は、不機嫌丸出しでドアを開けた。
「相変わらず寝癖すげぇな」
「うるせぇよ…」
僕は不意に伸びて来た手を乱暴に払った。
「で、こんな朝早くから何…」
用が無いなら、もう少し寝てたいんだけど…
「ああ、今日店休日だろ?」
「うん…。で?」
「たまには出かけね?」
「はあ?」
店休日なら、尚更何もしないで、ボケーッとしてたいんだけど…
でも、まあ…
一応聞いてみる…か?
「どこに?」
「うーん…、遊園地…とか?」
「ゆ、遊園…地?」
予想外の答えに、僕の眠気が一気に覚める。
だってさ、考えてもみてよ。
大の男が二人で遊園地…とかさ、普通に恥ずくない?
嫌いじゃないけど…ね。
「どうする?」
「どうするって言われても…」
本音を言えば、たまの休みなんだし、気が済むまて寝てたい。
でもなぁ…
ホストの仕事を始めてから、まともに日も浴びてないし、なんなら酒と女に浸ってばっかの毎日に、正直うんざりもしてたりすんだよな。
だってさ、酒はともかくとして、僕が好きなのは女よりもさ…