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こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン2[dzl]

第8章 ライム目線2


 その後急いでハナの家に駆けつけると、そこに探しているあの子たちがいて全身の力が抜ける思いだった。
「でもどうしてハナの家にいたの?」
 と私が聞くと、それがさ、とハナがいつも持ち歩いているカバンを見せてくれた。
「このカバンにいつの間にか入っていたみたいなの。その証拠に……ほら、これって、ライムが飼ってる子たちが食べるフードでしょう?」
 とハナは手乗りMOBサイズフードを見せてくれた。彼らはハロウィンMOBなので、ちょっと変わったものが食用だったのだ。白いお化けの形をしたキャンディ型とか、カラフルなドーナツ型などをしたフード。もちろん見た目だけで、中身は栄養バランスが考えられたMOB用フードなのだが、見た目は小さなお菓子みたいだった。
「自分たちのフードを持ってハナの家に行ったってこと……?」
 私は信じられない気持ちでその言葉を繰り返した。そりゃあ飼育カゴから自力で脱出してきた彼らもすごいけど、そもそも手乗りMOBがそこまで賢いとは思わなかった。
 それからふつふつと湧いてくるのは、なぜ脱走したのかという疑問。もしかして私と暮らしたくなかったのかな……? と一瞬でも頭によぎって不安な気持ちになる。
 でも実際、ハナの飼育カゴにいた私の飼っているMOBたちは、嫌がる様子なく素直に持ってきたカゴに戻ってきてますます困惑するばかりだった。特におらふくんは、じっとこっちを見上げて何か謝っている雰囲気すら感じる。
 そこにぽんっとハナに肩を叩かれてこう言ってくれた。
「この子たちは、多分ちょっとだけ冒険をしたかっただけだと思うな」
「そうだと、いいんだけど……」
 ハナは気を遣ってそう言ってくれたんだなと思うとますます不安が募るばかりだった。
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