こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン2[dzl]
第7章 ライム目線
飼っているMOBたちがいないと気づいたのは、お昼過ぎだった。
ハナとハロウィンパーティーの準備に夢中になって、確かにMOBたちのことをおざなりになっていた自分にも反省だ。
だけど最初は、家のどこかにはいるのでは、と思っていたのだ。何よりあの子たちは手乗りMOBで、そこまで遠くには行けないはず。お腹が空いたら出てくるのではないか。そう考えていた。
「ドズル〜ぼんじゅうる〜おんり〜おらふくん〜MEN〜」
と呼びかけて夕食のフードを用意したのだが、それでも彼らは出てこなかった。外はもう夜。まさかうっかり外に出てしまったの? と戸締りを確認しても、窓は開いていない。ということは玄関のドアが開いた瞬間に出たのかとか、もしかしてポストの隙間から出て行ってしまったのかと色々考えて不安になった。
とりあえずどこかに連絡しなきゃ……と思ってふと思いついたのがハナのことだった。ハナは私と同じハロウィンMOBを飼っている友達で、特殊なMOBを飼っている彼女なら、何か探し方などを知っているかもしれないと電話をしたのだ。
呼び鈴が1回……2回……この時間は忙しかったかな、と諦めようとした時、繋がる音がした。
「もしもし、ライム?」
「ごめん、こんな時間に! ちょっと聞きたいことがあって……」
「丁度良かった! 私も連絡しようと思ったところで」
それから次に向こうから聞こえてくる声で言葉を失う。
「……え?」
私はすぐに、出掛ける準備しをした。