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こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン2[dzl]

第15章 ハロウィンパーティーを


 そこは私の寝室の隣にある客間だった。普段は物置きにしている部屋が、カボチャやコウモリやお化けの飾りで彩られ、真ん中にあるちゃぶ台には大量のホットケーキとお菓子の家が置いてあった。
「どういうことなの……?」
 とドズルくんへ目を向けようとした瞬間、パーン! と大きな音。驚いて顔を上げると、クシャクシャになったビニール袋の上で、手乗りMOBの白猫、おらふくんがぴょんぴょん跳ねていた。
 それでなく、床では即興で作ったような太鼓を叩いている手乗りドラキュラのぼんじゅうるくんがいて、よくよく聞くとそれはおらふくんと一緒に奏でている音楽となっていた。私が拍手を送ると、目の前に突然手乗りMOB死神であるおんりーくんが登場して、どうぞこちらにと言わんばかりに招かれて私はちゃぶ台の前に座った。
 はちみつがたっぷりとかけられたホットケーキに、よくよく見ると手乗りMOBたちのエサで作ったお菓子の家があり、これは間違いなく、彼らなりの「ハロウィンパーティー」なのだろうということが分かった。
 いつの間にか音楽は止み、手乗りMOB5人はちゃぶ台の上で並んでこちらを見上げた。何か伝えたいことがあるみたいに。
「そっか、ハロウィンパーティーをやりたかったんだね……」
 私は1人1人彼らを優しく撫でた。手乗りMOBゾンビのMENくんが、少し崩れかけたお菓子の家を直してから出てきたところ、これを作ったのは彼なのだと思う。
「ありがとう、みんな」
 彼らは最初から、私のことを嫌ってはいなかったのだ。ただちょっとだけ、冒険に出ていただけで。
 あとでハナにも連絡して、やっぱりみんなで遅いハロウィンパーティーをしよう。その時は、ハナのところにいるハロウィンMOBたちと一緒にパーティーをしようね。覚えているかな? 1年前に会ったことあるんだけど。
 そうして私は、ハロウィンMOBたち5人と、楽しいひとときを過ごした。私はホットケーキを、ハロウィンMOBたちはお菓子の家を食べて。
 ああ、良かった。彼らと、出会えて。

 おしまい
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