こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン2[dzl]
第13章 再びMENゾンビ目線
ハロウィンパーティー? 誰でも出来ますねぇ。
と言う俺も、実は知ったかぶりをしただけ。前にどこかで人間たちのハロウィンパーティーとやらを見た気もするが、ゴミを散らかしているばかりのニュースとやらだった気もする。
俺も飾りつけとか楽器の製作作りとか色々協力はしたが、それでも何かが足りない気がしていた。そんなある日、ライムからの「ご飯だよ〜」から思いついたことがある。
そうだ、これを使えばいいんだ。
ハロウィンパーティーまでもう時間がない。急いで作ってやらねーとな。
何より、ライムは俺たちが脱走したことで、嫌ってるんじゃないかって落ち込んでいるみたいだし。
もう何年かはライムとこの家には世話になったんだ。貰ってばかりじゃダメだ。俺だって、何か返してやりてぇ。
「MEN、それ何作っているの?」
コソコソと作っていたつもりだが、鋭いドズルさんにはバレてしまったみたいだ。俺は正直に答えることにした。
「サプライズっすよ。それまでみんなには黙ってくれないすか」
と俺が言うと、ドズルさんは笑って快諾してくれた。
「分かった。MENの作るやつはいつもすごいから、楽しみにしてるよ」
「うっす」
それから俺はまた作業に戻る。もう少しで出来るんだ。俺たちの飯で作った、お菓子の家がな。
俺はただの豚ゾンビじゃねぇってことを証明してやる。
ライムが喜ぶ姿が浮かんできて、ちょっと心がくすぐったい気持ちになった。