こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン2[dzl]
第12章 再びおらふくん猫目線
「タンタン、うん、うん、タン、タタタン……」
「おらふくん、面白いリズムで歌ってるね」
そこにぼんさんがやって来てそう言われた。え、僕歌ってました? めっちゃ歌ってたよ? と会話して、僕は無意識に歌っていたことに気がついた。
「なんか、楽器叩いてたらつい歌ってたみたいんよ」それから僕はふっと思いついてぼんさんの方を見た。「そーだ! ぼんさんも一緒に歌いましょうよ!」
「え、俺? 俺はいいよ……」
どうせMOBの言葉なんてライムちゃんには伝わらないし、とぼんさんは暗いことを言ったけど、大事なのは、伝えることじゃないと思うんや。
「上手く歌えたら、ライムさん、めっちゃ褒めてくれると思いますよ?」
「そお?」
「ライムさん、優しいですから」
「うーん、まぁ……確かに」ぼんさんが考え込む。「そこまで言うなら一緒に歌ってあげてもいいけど?」
「本当ですか! 一緒に歌いましょう!」僕はそう言ってぴょんっと打楽器の上に乗った。「僕、上の楽器を担当するんで、ぼんさんは下の楽器をお願いしますね!」
僕は手乗り猫やから、楽器はほとんど高いところに置いていた。下の楽器は2つしかないんやけど、ぼんさんに手伝ってもらったらきっともっと楽しくなるはずや。
「え、演奏もするの?」
ってぼんさんはびっくりしてたんやけどなw
「演奏しながら歌ったら楽しいですよ!」
せっかくなら、ハナさんのお家にいたフランケンシュタインさんたちとハロウィンパーティーしたかったけどな。僕、あの家で迷子になっちゃったあと、とてもお世話になったんや、あのフランケンシュタインさんに。1年前くらいに会っていたみたいやけど、僕すっかり忘れてて。でも僕にとっては、大切な友達や。
「ハロウィンパーティーが楽しみです、ぼんさん」
「そうね」
近くにいるぼんさんに僕がそう言うと、はにかんだようにぼんさんが頷いた。ハロウィンパーティーは、もう少しだ。