こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン2[dzl]
第14章 再びライム目線
MOBたちに秘密にしていたハロウィンパーティーは中止にした。協力してくれていたハナには悪いけど、飼っているMOBたちが脱走した理由がなんなのか考えている内に悪いことばかりが思いついてとてもハロウィンパーティーなんてしている気持ちにはなれなかったのだ。
カレンダーを眺めて、ハロウィンが過ぎるのを何度も確認して。
MOBたちの飼育カゴは、いつでも脱走出来るようにフタを開けっ放しにして置いた。私のところが嫌だったら、どうにかして外に出るんだろうと思って。
それでも外に出て車にでも轢かれたら……なんて考えてしまって戸締りだけはしっかりしておいた。何しているんだろう、私。
そうしてハロウィンが過ぎて1週間。まだ私の気持ちが晴れることもなく、いつもと変わらずに流れた日々に疲れて眠りについた、はずだった。
顔を突かれて目を開けるとまだ夜中。明日は休みなんだからと寝返りを打とうとしてもう1度開いた視界に小さいMOBが映り込んで私は思わず飛び上がった。
「……え、ドズルくん?」
カボチャパンツマンのハロウィン手乗りMOB、ドズルくん。一見人間を小さくしたような見た目だが、結構力があって自分の倍の物を持ち上げたりするのだ。
そんなドズルくんが飼育カゴから脱走してこんなところにいるということは、とうとう外にでも出るのかな、なんて寂しくなることを考えたが、どうやら何かをアピールしている様子。
「なぁに?」
と聞いたところでMOBの言葉は分からないのだが、促されるままドズルくんのあとをついて行って私は驚いた。
「……え」