こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン2[dzl]
第11章 再びおんりー死神目線
提案したのは自分だけど、ハロウィンパーティーを作るのは結構大変だった。
そもそも自分たちは、ハロウィンMOBでありながら、ハロウィンパーティーがどんなものか分からない。前にライムさんが見せてくれた絵本とかからヒントを得て、あの白いお化けとか目の怖いコウモリを飾るとかまでなら少しだけ分かるんだけど。
「せっかくなら、何か美味しいものも用意したいよね」
とドズルさんが言ったから、俺は手乗りMOBでも作れるものはないだろうかとライムさんのキッチンで考えていた。
「確かいつも、ここから食べ物を出していたような……」
死神の俺は空を飛びながらライムさんがいつも食べ物を出していた箱の中に入ってみた。俺は薄い壁ならすり抜けられるからね。
箱の中には人間サイズの食べ物が色々あった。そこに、今朝ライムさんが食べていた薄い食べ物を見つけた。黄色と茶色の食べ物で、丸い形をしている。
その食べ物についてよく調べてみると、「ホットケーキ」というものらしかった。ライムさんの動きを見てパソコンの使い方を学習しておいて良かった。作り方もそこまで難しくはなさそうだし、バレないようにこっそり作って置こう。
「飾りも出来たし、食べ物はおんりーに任せるとして……他に必要なものはなんだろう?」
とドズルさんが言ってみんなは考え込んだ。他に何か出来ることはないかと俺も考えるけど、想像というのは無から生み出すのは難しいらしい。
その時、おらふくんがぱっと明るい声でこう言ったのだ。
「音楽とかは? 楽しい音楽があったら、パーティーも楽しくなるかも!」
おらふくんの柔軟な発想は、いつも自分たちの突破口になる。
「名案だね! じゃあ、音楽はおらふくんに任せたよ」
「え、僕がですか?」
「僕も手伝うから。みんなで協力しよう!」
俺はドズルさんの言葉に頷いた。ぼんさんは面倒くさがっていたけど、なんだかんだついて来てくれるので、多分協力もしてくれるんだと思う。
俺はまだ見ぬハロウィンパーティーが、ちょっと楽しみだった。