• テキストサイズ

こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン2[dzl]

第10章 再びぼんじゅうるドラキュラ目線


 ドズルが妙なことを言い出した。僕たちだけでハロウィンパーティーを開こうって。
 確かに最近のライムちゃんは、暗い顔をして元気がなさそうだったけどさ。だからってなんでわざわざよく知らないハロウィンパーティーを提案したのか。そりゃあ俺たちがハロウィンMOBで、この前ハロウィンだったからってのは分かるけど。
 カゴからの脱出はフタがないことで易々と出来るようになったが、昼間活動しない俺にとっては関係ない……と思っていたのだが、ドラキュラだからなのをいいことに、ハロウィンパーティー作りにあっちこっち呼び出されてばかりだ。
「ぼんさん、次はこの折り紙を切って下さい!」
 とおらふくんは俺に、人間サイズの折り紙をバサバサと振り回した。そんな使い方をしていいのか分からないが、なんで俺が折り紙を切る係なんだ。
「なんで俺が切る係なのよ?」
「え、ぼんさんの爪ってなんでも切れるじゃないですか」
 俺がそう聞くと、近くにいたMENがそう言ってきた。なるほど、俺の爪か。だからといって、俺の爪は折り紙を切るためにある訳じゃないぞ。
「別になんでも切れる訳じゃないのよ」
「ぼんさんいつもキレてますからね」
「はぁ?! どっちの意味で言ったんだよ?!」
「そっちの意味です」
 俺とMENのボケとツッコミはいつも通り。MENは最終的には笑い出すし、ドズルは「ふざけていないで真面目にやって下さい」と割り込む。おらふくんはどういう意味だったか分からなかったみたいだが、おんりーが「切れる」と「キレる」か、と言い直したところで理解したみたいで遅れてゲラゲラ笑っていた。
 やっぱりさ、俺、みんなといると楽しいよ。
 そこにライムちゃんもいたらなって思うから、俺は文句を言いつつも、自分なりに折り紙を切ることにした。
/ 17ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp