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愛を紡いで呪いを断つ

第2章 大正時代へ



「…やはり君は戦国の世から来たんだね。君の知る先代が亡くなったのはおよそ130年前。今は大正という元号になっている。先代を知っているということは、君は鬼殺隊の一員だったということで間違いないかな?」





「…おっしゃる通りでございます。"月柱"と名乗らせて頂いていました。」





「柱…君は素晴らしい力を持っているんだね。」







一般の人が立ち入ることはまず困難な場所に突然倒れていた事、私の着物の古さなどで粗方察してくれていたのだろう。時を越えたなどという御伽話の様な話にも、平然と察して対応するお館様に私は舌を巻く。







「私の生きていた戦国の世の鬼殺隊は不甲斐無くも、鬼舞辻無惨と上弦の鬼によって壊滅させられかけていました。私も時を越える直前、鬼に殺されかけました。私は鬼を滅する事が出来る実力のある者達の力を借り、泰平の世を築きたいとの一心…何百年、何千年時を越えてもいいとの想いで馳せ参じました。」


私は再び頭を下げる。



「遥か先の夜明けを指を咥えて見つめている日々を変えたい。鬼をこの世から一掃し、平和な日常を我が手で成し得たい。どうかこの私めを信じて頂き、この世でも再び鬼殺隊と名乗る事をお許し頂きたく思います」



私には必ずやらなければならない事が二つある。

その二つを成すまでは、ある意味永遠に死ねないのだ。












「…人の想いは永遠だね。」














そんな優しい口調と共に、私の頭に温もりが降り注ぐ。









いつの間にかお館様が近くに来てしゃがみ、私の頭を撫でてくれていた。


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