第7章 恋柱•蛇柱との任務 美形の鬼
「…貴様、今度煉獄とビフテキを食べに行くらしいな」
「えっ?まぁ奢ってもらうつもりだが…そんな事まで知ってるのか」
は突然話題を変えた小芭内に戸惑いつつ答える。
「………やる」
「なんだ?」
は耳に手を当てもう一度聞く。
「これをくれてやるって言ってるんだ」
鏑丸がシャーっと威嚇しつつ、投げやりに言ってそっぽを向いた小芭内がに差し出してきたのは、小さな紙だ。
は疑問だらけの顔でその紙を受け取り、見てみる。
「っ…!これは…!!…何と書いてある!?崩し文字出ないと読めぬ!」
小芭内はずるっとコケそうになるも、こほんと咳払いをする。
「…貴様が行きたがっていたビフテキ店の二人前無料券だ。煉獄もよく食べるからな、あまり意味は無いかもしれないが使え」
小芭内はそっぽを向いたままボソボソとそう言う。
「…!小芭内…!!そなた良いやつだな…!!ありがとう!!」
はパッと柔らかな表情になり、とても嬉しそうに御礼を言う。
の方を向き、その表情を片目を閉じつつ見た小芭内も、幾許か表情を和らげる。
「…フン。いいな、貴様。煉獄を誑かすんじゃないぞ。あいつは本当に良いやつだ。貴様のようなよく分からん女が近寄っていい男ではない。だが煉獄が望むのなら俺は止めない。あいつの意思を尊重する。だがブツブツブツブツ…」
「最後の方はよく聞き取れんがそなたはやっぱり柱の保護者か何かか?」
は耳をほじりながら言う。
「黙れ。貴様はまたさっさと警備に行け。まだ夜は長い。甘露寺、君は強いから問題無いと思うが、この女に何かされそうになったらすぐ鎹鴉で連絡をくれ。すぐに飛んできてこの女を始末する。そして君と今度行く高級甘味処を予約してあるから、また文で連絡を取り合おう」
「伊黒さん、ありがとうっ♡///」
小芭内は蜜璃に凛々しい顔でそう言うと、あっという間に去って行った。