第7章 恋柱•蛇柱との任務 美形の鬼
「小芭内、蜜璃。非常に素晴らしい剣術だった。二人とも寸分の狂いない見事な連携だったな。手伝わないと言ったくせに助けてくれたしな」
はにこりと笑って納刀する。
「…フン。どうでも良いが貴様は早くその狂気じみた表情を直せ。甘露寺が怖がるだろう」
小芭内はそう言って納刀しながらをジトッと睨む。
「えっ、笑ってるつもりなんだが…」
はおかしいな、と頬をつねってみる。
「ちゃん、鬼狩りの時は本当に雰囲気が変わるのね!素敵だわっ!」
蜜璃はきゃっと言ってに微笑む。
「…胡散臭い」
小芭内はの心の奥底を見抜いたようにそう言って怪訝な表情のままだ。
「…!…胡散臭い、か…」
はその指摘に驚いた後、ふっと笑って夜空を見上げた。
その視線の先は綺麗な三日月だ。
「…憎んでいると思い込むしか無いんだ。それだけが私を動かす原動力だから」
は刀の柄をゆっくり撫で上げる。
「……」
「えっ、なんて言ったの…?」
小芭内はを見つめ、蜜璃は小芭内との顔を不安そうに交互にキョロキョロと見つめる。
小芭内は小さくため息をつき、大した事は言っていない、と誤魔化す。