第7章 恋柱•蛇柱との任務 美形の鬼
「ふふっ…小芭内、わざわざこの為に蜜璃の警備地区に来て、また自分の所へ戻って行ったのか…くくっ…」
はお腹に手を当てて笑っている。
「頼もしいわよね、伊黒さん!♡それにしても、ちゃん、伊黒さんのこと下の名前で堂々と呼んでて羨まし…あっ!」
蜜璃はまたもや顔を真っ赤にし、口に手を当てる。
「ふふっ…隠さなくても分かっているぞ。…恋が実ると良いな。あいつは天邪鬼だが、良い男だ」
「っ…ありがとう、ちゃん!…あのね、私、ちゃんが色々と抱えたまま大正の時代に来たんだなって分かってるの。私達を頼りに来てくれたんだから、一人で悩まず何でも話してねっ…!私はずーーーっとちゃんの味方だからっ!」
蜜璃はそう言っての手を取りにこりと笑う。
蜜璃の温かい手、その笑顔と眼差しには、全くの嘘偽りは無かった。
「っ…」
「…えっ!?ちゃん大丈夫!?どうしたの?何処か怪我でもしてたの!?」
蜜璃は慌てた。
ー真顔のの目から、一粒の涙が溢れたからだ。
「…っあぁ、目に砂が
入ったのかもしれん。だが大丈夫だ」
は自身の涙に気がついていなかったのか、蜜璃の言葉にハッとして手の甲でゴシゴシと目を拭くと、そのまま蜜璃に抱きつく。
「…ありがとう、蜜璃。」
は抱きしめたのちにそのまま顔を見せないように蜜璃に背を向けると、伸びをする。
「さぁ、まだ夜は長い。もう少し回ろう」
「ちゃん……っうん!!」
蜜璃は心配そうにの背中を見つめるも、優しく笑って返事をし、の隣に並んで歩き始めたのだったー。