第7章 恋柱•蛇柱との任務 美形の鬼
「…頭に響く声だな。強烈だ。なるほど、女子だけに効果があるのか。普通の女子なら立っていられなくなる。良い声だ」
は咄嗟に日輪刀を杖代わりにし、倒れないようにする。
「…怖くないよ、さぁこちらにおいで。可愛いお嬢さん」
美形の鬼はゆっくりに近付き、手を差し伸べてくる。
「っ滝!!!」
小芭内が今度こそ鬼を斬ろうとこちらに向かってくるも、が手で制す。
「…生憎、私は顔でも声でもなく、最後は性格で男を選ぶ主義だ。」
はニヤリと笑ってそう言うと、目を閉じ深く息を吐き出す。
「…これだけだから鬼狩りは。女なんだからしおらしく食われれば良いものを」
美形の鬼はその美しい顔を歪ませ、忌々しそうにそう言って舌打ちをすると、に向けて鋭い爪で切り裂こうと攻撃する。
「っ蜜璃!小芭内!助太刀頼むぞ!」
はカッと目を見開き大きくそう叫ぶと、体を捻って攻撃を避け一気に飛び上がりまた屋根の上へと乗る。
「っ任せて!!人を傷つける悪い鬼、許さないんだから!!」
蜜璃も頬をパンと叩き、先程の酔いが取れたかのように力強くに抜刀し、鬼を睨みつける。
「…流石だ、甘露寺」
小芭内は蜜璃に優しく微笑むと、の動きに合わせようと刀を構える。
「拾陸ノ型 月虹・片割れ月」
そう呟き息を強く吸い、が鬼を見据えた刹那。
「蛇の呼吸 弐ノ型 狭頭の毒牙」
「恋の呼吸 壱ノ型 初恋のわななき!」
まるでいつも通りの動き、と言わんばかりに連携し、小芭内は鬼の両足を、蜜璃は鬼の両腕を切断し逃げられないようにした。
そしての斬撃で鬼の首は吹き飛び、断末魔の叫びと共にあっという間に鬼は塵になったのだったー。