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愛を紡いで呪いを断つ

第7章 恋柱•蛇柱との任務 美形の鬼


「…そなたは蜜璃に想いを伝えんのか?」

は小芭内の気を紛らわそうとしたのか、小さな声でコソッと問う。




「っ…黙れ」

小芭内は顔を赤くしてそう言うも、好いている事の否定はしない。







「…俺なんかに…彼女を縛る権利はない」








小芭内が真顔に戻り、刀を握る手を一瞬見つめて言ったのをは見逃さなかった。












「…なるほどな。そなたも私と同じか。…汚れた血。自分が死んで浄化されねばならんと思っている」

「っ…」

小芭内は訝しげな顔でを見て口を開きかけたが、何か思う事があったのかまた蜜璃の方を向く。









「…血。それが貴様の最大の秘密という訳か」

「…まぁな。嫌な思いをしたことの方が多いが、感謝していることもある」


は夜空を見上げる。






「命は瞬きする間に無くなる。だからといって想いを伝えろとは言わんが、後悔の無いようにな。…っと、小芭内、今だ」





がそう言った刹那、猫が巨大化し蜜璃を喰おうとする。






「っ…!甘露寺!!」



と小芭内は素早く抜刀し、同タイミングで蜜璃の猫を斬り捨てた。






「きゃっ…!!!」
蜜璃は気がつかないうちに血鬼術にかかっていて、猫が鬼のそれによるものと気がついていなかったのだ。






は蜜璃に素早く駆け寄ると抱き上げて飛び、屋敷の屋根の上に飛び乗る。

「怪我は無いな?蜜璃」

お姫様抱っこのまま蜜璃の顔を覗き込み、ニコリと笑う。




「あ、ありがとうちゃん…!私ったら柱のくせに全然気がつかなくって…」

蜜璃は色んな意味で恥ずかしいのか、手で赤くなった顔を隠すように覆っている。





「そなたを囮にするような真似をしてすまない」

は優しい眼差しで蜜璃を見た後、屋根の上から斬り捨てた猫を見下ろす。

お姫様抱っこしているを小芭内は威嚇して睨み付けているも、鬼への警戒も怠らない。




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