第7章 恋柱•蛇柱との任務 美形の鬼
「で、でも鬼以外にも変な男の人に絡まれたら…」
「それも心配無い。この女はかつて男の追い剥ぎを服を全身剥いで崖に突き落としていたらしい。煉獄から聞いた」
「そうなの!?ちゃん強いわっ!」
「そんな下らない情報が出回っているのか…煉獄め…」
は呆れた表情だ。
「…煉獄だけではない。宇髄からも貴様の戦いっぷりを聞いている。時透との手合わせの時と同じ奇妙な技を使い、その種明かしをしないと。柱合会議のあの日、自身の素性は合同任務の時に話すと言って出ていったくせにろくな情報を話さんな。やはり怪しい」
「いやだってそんな自分の事を毎回話せるような空気じゃ無いし…」
はしゅんとしながら人差し指同士を合わせている。
「…まぁいい。どうせそのうちボロを出す。とにかく鬼を探して来い」
小芭内がそう言った時、蜜璃があっと声を上げる。
「伊黒さん!ちゃん!見て見て!可愛い猫さんがいる!」
蜜璃は可愛い〜っと言って猫に近づき、首を撫でてあげる。
猫は青白い不思議な色をしている。
「悲鳴嶼さんも猫が大好きなのよっ!」
「えっ、あの岩柱が…!?」
は蜜璃の言葉にまことか、と目をまんまるくして驚いている。
「あの人は見た目によらないからな」
小芭内はそう言いながら、少し離れた場所で猫と戯れる蜜璃を温かく見守っていた。
が、小芭内の目付きは突如鋭くなる。
「っ!甘露…」
「待て小芭内。鬼の出方を伺う。蜜璃はまだ勘づいていない。不本意だとは思うが待て」
は目を細めて蜜璃と猫を見る。
「っ…」
小芭内は刀の柄を握り締め、蜜璃を凝視する。