第7章 恋柱•蛇柱との任務 美形の鬼
「ま、まぁまぁ伊黒さん!その気持ちはすごく嬉しいわ!私の為を思って来てくれたのね!」
蜜璃は怒る小芭内を宥めようと、にっこり微笑む。
「甘露寺…ありがとう。君のその笑顔にはいつ
も救われる。今日も一緒に頑張ろう」
小芭内は左右非対称の色である綺麗な瞳で真っ直ぐに蜜璃を見つめる。
キラキラという効果音まで聞こえて来そうだ。
「伊黒さんっ…♡///」
蜜璃は顔をぽっと赤く染め、小芭内を見つめ返す。
二人は二人だけの世界に入ろうとしていた。
「あのぉ、すまんが私は帰った方がいいか?」
まさに蚊帳の外のは、小さな声でそう言い遠い目で蜜璃と小芭内を見る。
「何を言っている?今日向かう任務地にいる鬼は、女性を好んで食らう鬼だ。だから甘露寺と一応女の部類に入る貴様が選ばれた。貴様のような下等な女でも鬼が寄ってくれば儲け物だ。喜んで囮となり、そのまま喰われろ」
小芭内はすごい勢いでの方を向き、険しい表情でネチネチと言いながらを指差す。
「下等…すごいなそなたは…無一郎とはまた一味違う人を精神的に追い込めるその語彙力、驚嘆に値するな」
「黙れ。貴様の実力を見る機会でもある。俺と甘露寺は一切助太刀しないからな。そして甘露寺に傷一つ負わせてみろ。その瞬間鬼共々俺が貴様を刻んでやる」
小芭内はフンと鼻を鳴らしてそう言うと、あっという間に部屋を片付け終わる。
「まさかの身内に敵…むしろ鬼よりそなたの方が百倍恐ろしい…!蜜璃…小芭内がいじめてくる…」
はめそめそ泣きながら椅子から立ち上がり、蜜璃に近寄ると、蜜璃によしよしと頭を撫でてもらう。
「めそめそしてるちゃんも可愛いわっ♡///!」
「……(ニヤリ)」
は頭を撫でてもらいながら、目を吊り上げてこちらを睨み付けてくる小芭内にベーっと舌を出す。