第7章 恋柱•蛇柱との任務 美形の鬼
「それよりも甘露寺、触れられていないな?大丈夫か?」
小芭内は人が変わったかのように優しく蜜璃に話しかけ気遣いしつつ、その足は忙しなく飛び散った食器の破片をへと強く蹴り飛ばしている。
「わ、私は大丈夫だけど…」
蜜璃はもうどうしたら良いかわからないといった様子で涙目になっている。
「!!!っすまない…!!俺はとんでもない事をしてしまった。甘露寺が大切に使っていた皿と机を割ってしまった。本当に申し訳ない。弁償はもちろんする。だから泣かないでくれ」
小芭内はこの世の終わりかと言った具合に落ち込んだ様子でそう言う。
「あっ、えっとそれは全然良くって…そうじゃなくてそれよりも…」
「甘露寺、破片を踏んで君のその綺麗な肌に傷がつくといけない。片付けをするから、少し避けていてくれないか」
小芭内はそう言って蜜璃を優しく移動させると、転がったままのを蹴る。
「おい、邪魔だどけ。何だ、お前も皿の破片と一緒に捨てて欲しいのか?」
「……ぐぅ……」
は立ち上がる気力すらなく、しばらく突っ伏したままだった。
ー…
「なんでそなたがここにいる、小芭内」
は椅子に座り、蜜璃にペタペタと絆創膏を顔に貼ってもらいながら小芭内をぎろりと睨む。
「気安く下の名で呼ぶな。貴様が今日甘露寺と任務を共にすると聞いて居ても立っても居られずやってきたんだ。貴様のような時空を超えたなどとほざく素性も分からんちんちくりんな女と甘露寺を二人きりにさせる事なんか出来ないからな」
小芭内はねちねちとそう言ってを睨み返しながらも素早く部屋を片付けている。
「はぁ…」
は呆れたようにため息をつく。
「そなたは蜜璃のなんなのだ?保護者じゃあるまい…」
「その古臭い話し方をする小うるさい口を閉じないとどうなるか分かっているな?」
小芭内の首に巻き付く蛇が、小芭内の代わりにしゃーっとに威嚇をする。
「……怖い…」
はブルブルと怯える。