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愛を紡いで呪いを断つ

第6章 霞柱との休息 新型の釜



「無一郎!そこだ!買おう!」

「………一応聞くけど、君が自分で買うんだよね?」

「無一郎も知っての通り私は嗜好品を買う余裕はない!ご馳走様!」

「…年下にたかるなんて最低だね」
無一郎は答えがわかっていたかのように盛大にため息つく。

「借りは必ず返す!戦国の世では稀少過ぎてどうしても食べれなかったから食べたいんだ!頼む!!!」

「……ま、今日の朝御飯代としてならいっか」
無一郎はサッとかすていらを購入し、袋に入ったかすていらをに渡す。

「すごく甘い匂いだ…ありがとう、無一郎!」
パァ、と満面の笑みではお礼を言う。

「…毒をくらったからって君がそうやって甘い物ばかり食べてぐーたらしている間に、僕は鍛錬して鬼を沢山狩ってもっと強くなるから」

「むむ…私は負けんぞ!さてさっそく食べよう…あーーん!」

無一郎の皮肉に緩んだ頬のまま言葉を返したは、袋からかすてぃらを取り出し、大きな口を開けて頬張ろうとする。




その瞬間、無一郎がかすてぃらを横取りして自分の口にほとんど放り込む。





「ぁああ…っ!?」
は今までで一番の情けない声を出す。





「あ、これ美味しいね。あんまり食べたこと無かったけど」

は死にそうな顔で無一郎を見つめ、無一郎はリスのようにもぐもぐと頬張って美味しそうに食べている。






「か、かすてぃら…」

「僕が買ったんだから半分くらい良いでしょ」

かなり小さくなった残りのかすていらをに手渡しながら言う。



「…半分以上食べてるんだそなたは。女子と甘味を半分こする際には必ず声を掛けて分量を話し合わねば殴り合いの喧嘩になるぞ…!昔からそう決まっている…!」

「そんなの知らない。そもそも君女だっけ?ちゃんと稼いだら自分で買って丸々食べなよ」

「ぐぅ…」

はめそめそ泣きながら残りのかすていらを頬張る。
しかしそのおいしさにすぐに泣き止んでご機嫌になる。

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