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愛を紡いで呪いを断つ

第5章 音柱との任務 忍びの鬼



「すごいねお前さん。普通の鬼狩りなら死んでるよ」

鬼は短刀の先についたの血をペロリと舐め上げる。


「…まぁ、そなたのような忍とは何度も戦っているからな。さて、斬り傷がヒリヒリするな。何の毒を仕込んだ?いずれにせよ時間が無い。早めに片をつけよう」

「なんの毒でしょう?刀もないのに面白いね。死ぬ前に言い残す事はない?俺が聞いてあげるよ」

鬼は木の枝の上に飛び乗り、愉快そうにを見下ろす。







天元は二人に近付くも、手を出そうとはしない。

じっくり鬼を観察し、確実に仕留められるよう頭に譜面を作っていく。





戦うにしてもが死んだ後だ。

見殺しは可哀想だが、十二鬼月でもない鬼に負けるようなら柱を名乗るまでもない、それまでの実力だったという事だ。



の言う通り、あの短刀には毒が仕組まれているだろう。
目を凝らすとの皮膚が斬り傷を中心に紫になっていっている。

きっと10分もすれば毒が周り動けなくなる。





さぁ、どうするー







天元は自分が握るの日輪刀を握り締め、横目で見る。





奇妙な長さの刀だ。


女の扱える長さや重さでは無いのによく軽々と使っているなと天元も思う。





『いいか、天元。私が両手を挙げたら、思い切り日輪刀を投げてくれ。1度目ではなく、2度目に両手を挙げたらだ。』

鬼と対峙する前のとの会話。

もうは一度両手を挙げている。

次のタイミングだ。




「…特に無いな。一度死んで生まれ変わったようなものだしな。そなたに聞きたいことならあるが、どうせ教えてもらえんだろう」

はさぁ来い、と木の上の鬼に向かって構えの体制をとる。

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