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愛を紡いで呪いを断つ

第5章 音柱との任務 忍びの鬼



「…仕方ない。なぁ天元。すまないがそなた達の嫁に私の化粧を頼んでも良いか?」

「別に良いがどうするんだ?」

「なに、町娘に変装して殺された恋人を探しに来たふりでもすれば良かろう。もちろん刀も持って行かずにな。」

「…はっ。出てきたとして刀も無しでどうやって戦うつもりだよ」

天元は小指で耳をほじる。

「そこでそなただ。どうせ私の鬼狩りを手伝わず見守るだけだろう。私の刀を持って後をつけてきて欲しい。あとすまんが解毒剤も。」

「…ふぅん。ま、やってみろよ」

「…嫌だがな…」

は薄目で老人のように背中を丸めてお茶をすすると湯呑みを置いて立ち上がる。





「さ、急がねば日が暮れる。ちゃちゃっと化粧を頼むぞ、くノ一達」

「もう着物からなにから準備したよ!早く来な!」

須磨がを呼び、雛鶴とまきをがウキウキして待ち構える。





「…ほどほどに頼むぞ」






は少しびびりながら目を細めて3人の元に向かったのだった。















ー…

「ほーお!化けたな!」

天元はにやりと笑いながら顎に親指と人差し指を当て、の顔を覗き込む。

綺麗に化粧が施され、着物もそこそこ上流のものを着ている。
薄水色の着物で、色白のにピッタリだ。


「滝っつったな。顔は整ってるが中性的な顔だからな。化粧をした方がより女らしく見える」

「…霞柱も喜ぶと思うか?」

「は?ぶっ…」

天元は柱会議の時の二人の会話を思い出し、顔を背けて笑い出す。


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