第4章 炎柱との任務 子供を喰らう鬼
「…さぁ、もう少し街を探ろう!他にも鬼がいるかもしれない!」
「あぁ。鬼の数を稼がないとな」
杏寿郎とは再び夜の街へと消えたのだった。
ー…
「巡回して良かったな。もう一匹狩ることができた。しかし杏寿郎が斬ったから杏寿郎の実績だな…」
ゆっくり歩き小さく欠伸をしながら、はしょぼんと肩を落とす。
「もちろん君が斬ったことにして良い!君に任せようと思ったが、体が勝手に動いてしまった!俺が斬らなくても君は容易く斬っていただろう」
薄明の空の下、杏寿郎とは任務を終え、自身達の屋敷へと戻ろうと山中を歩いていた。
「まことか!ありがとう杏寿郎!恩に着る!そなたの剣技、洗練されていて力強く、実に見事だった!まさに炎柱と名乗るに相応しい男だな!っと…この辺りで良いか」
ひとしきり杏寿郎を褒めた後、は大きな木を見つけると急に立ち止まる。
「じゃあ、私はここで仮眠を取る。また次の任務でな!杏寿郎」
は木の根元に座ると、刀を傍らに置いて胡座をかき、手を組んで寝ようとする。
「よもや!正気か!女性がこんな山中で寝ていたら追い剥ぎに遭うぞ!」
杏寿郎のもはや怒鳴り声と言っても過言では無い声の大きさに、森の鳥たちが一斉に飛び立つ。
「うーん…杏寿郎、私が追い剥ぎ如きに負けると思うか?確かに昔から追い剥ぎによく遭遇するが、逆に全身剥いですっぽんぽんにして崖から突き落としてやってるぞ?死なない程度にな!」
はにこにこしながら何かを剥ぐような仕草を見せる。
「そうかもしれないがそうじゃない!俺の屋敷はもうすぐだから、仮眠すると良い!」
「…良いのか!?確かに今宵の任務は杏寿郎の屋敷から行った方が近いと鎹鴉も言っていた」
「そうか!部屋はいくつかあるから余計な心配はいらない!」
「ふふっ、真面目だな。そなたに女として見てもらえるなら嬉しい限りなのだがな。では遠慮なく寝させてもらう」
は立ち上がると、刀を腰にさしてまた爽快と歩き出す。
「……はぁ」
杏寿郎は意味ありげに大きくため息をつくと、の後ろをついて行った。
ー…