第4章 炎柱との任務 子供を喰らう鬼
「そういえば君は隊服を支給されていないのか?」
「隊服?そなたが着ている服か?そういえば昨日屋敷に届けられたような…」
「この隊服は雑魚鬼程度の攻撃なら破れない頑丈な繊維でできている。君のその着物では動きづらい上、少し目立つからな!着替えた方が良い!」
杏寿郎はチラリと周りを見る。
廃刀令などとうに出ている時代だと言うのに、まさに戦国の侍と言った格好のは、ヒソヒソと噂されていた。
「…あまりこの着物は脱ぎたく無いのだが、郷に入っては郷に従えと言うからな。では着替えて来よう」
「む!何処へ行く!」
「私の屋敷だ!すぐ戻る!」
「今から戻ると日が沈んでしまうぞ!」
「大丈夫だ!」
杏寿郎は目にも止まらぬ速さで帰っていったの背中をポカンと見送る。
ー…
「待たせた!」
杏寿郎の屋敷から街に出るまでかなりの距離があった筈なのに、は涼しげな顔で戻ってきた。
「すごいな!半刻も経っていない!」
「そなたもこのくらいの距離なら余裕だろう」
は謙遜すると、似合うか?とくるりと回る。
隊服の上は普通の隊士のものと変わらないが、ズボンは長い丈のスカートのようなデザインになっている。
「あぁ!よく似合っている!」
「この時代で言う警官のような格好だな。窮屈に感じるかと思ったが意外にも動きやすい。さぁ準備は整ったな。聞き込みするとしよう」
は屈んだりして隊服を確認したのち、杏寿郎と共に街中へと進んだ。
ー…