第4章 炎柱との任務 子供を喰らう鬼
「…まもなく日が沈む!聞き込みをして鬼の潜む場所を特定しよう!」
杏寿郎はそんなことを思った自分を振り払うかのように首を振ると、の前を歩き始める。
「あぁ。一ヵ月で五十体も鬼を殺さねばならんから、何体かいると助かるな。達成できなければ風柱あたりに叩っ斬られるだろう…」
は遠い目をしてトボトボと歩く。
「時透との手合わせの時は見事だった!だから五十体斬れずとも君の実力には文句は言わないだろう!だが過去から来た君の素性、そして目的も分かっていない以上、容易く信頼は出来ないからな!実力というよりは君を見定めたい!」
杏寿郎の言う事はもっともだ。
「…鬼舞辻無惨を殺す事。最終目的はそなた達と同じだ。ただその過程で成し得なければならぬ事が二つある。まあ…」
はそう呟くと、杏寿郎の前に回り込む。
「…私のことをもっと知りたければ、話したくなるような距離になるように努力をするんだな」
はにやりと笑い、杏寿郎に背を向けて歩き出す。
杏寿郎は誰とでも分け隔てなく接する事ができ、好かれる人柄だ。
それでもそのように言われると言う事は、の心を開くには時間がかかるのかもしれない。
「…面白い!君のことをもっと知れるよう努力しよう!」
「そなたは素直で良いな!私も杏寿郎の事をもっと知りたい」
そう言って振り返り、は小悪魔のような表情で杏寿郎を見上げた。
「……むぅ!」
杏寿郎はパン!と顔を叩くと、また話題を変える。