第3章 柱合会議
(…強い。ただ、ひたすらに。どれほどの修羅場を潜り抜けて来たのか…南無…)
行冥は1人、何かを見抜いたのかそう思い唸った。
戦い方、精神力。
見ている限り、には一切の迷いが感じられない。
無一郎自身ではなく、その先にある何かを倒したい。そんな風にも見えた。
「はっはっはっ!!小僧!!出直せ!!」
は完全勝利だ!と高笑いをし、無一郎にくるりと背を向ける。
その直後だった。
「っ…」
ひどく驚いた表情のが、首に手を当てる。
の首には一筋の傷が出来ており、ツーと血が垂れの手が血で汚れる。
無一郎の刀が目にも止まらぬ速さでの首めがけて投げられたのだ。
無一郎は片膝をつきながら、憎悪の表情でを睨みつけ、息を荒くしている。
「やるじゃねぇか時透!刀を投げるとはド派手だなぁ!!」
「刀を手放したとはいえ、その直後の素早い動き、そして投擲(とうてき)!素晴らしい!!」
天元と杏寿郎がやんややんやと褒める。
「…まぁ、天才剣士ですからね。タダでは終わりませんから」
しのぶはふふっと笑う。
「無一郎くん、かっこいいわぁ〜っ♡!!」
「「……」」
実弥と小芭内はそれぞれ理由は違うが苦々しい表情をしている。
「……」
義勇は既にお館様の方を向き、置物のように柱合会議が始まるのを待っている。
「くっ…あははっ…」
は手で首の血を止めながら、体をそらせて笑う。
「…何がおかしいの?」
無一郎は苛立ったまま問いかける。