第4章 バレンタイン
「私、泊れないわ…ごめんなさい…」
「いいよ、美都は結婚していたんだよね。僕は今それを忘れてた…」
「本当にごめんね…」
「別にいいんだ。今夜は時間の許す限り愉しもう…」
そう言われて私はとても嬉しかった。
ヤマザキはワインのボトルを手に取るとコルクを開けてくれた。
「さ、ワインでも飲もう。チョコと合うかもね…」
そう言うとワイングラスにワインを注いでくれる。
お互いグラスを傾けて“チン”と鳴らしてバレンタインに乾杯した。
私はこの時、本当に嬉しかったのだ。
37歳のこの私をひとりの女として見てくれていることが嬉しかった。
ヤマザキはこの日、デジカメを持ってきていた。
私をモデルに写真を撮りたいと前々から言っていたのだ。
それも、とても嬉しかった。
「今日買ったその服とピアス、凄い似合ってて可愛いよ…」
そう言うと私にカメラを向けてシャッターを押した。
その後、私はワインを何杯か飲んだのを覚えている。
だが、その先の記憶が曖昧だった。
私はワインで少し酔ってしまったのだ。
その時に、服を脱ぎ出したらしい。
その写真もヤマザキは撮っていたのだ。
買ったばかりの黒のワンピを脱ぎ捨てて、黒のブラとショーツだけになっていた。
そして、私は椅子に座り、脚を開いてショーツの中に手を入れるとマスターベーションを始めたのだ。