第3章 お持ち帰り
ラブホの部屋に入ると中は思ったよりも広い部屋だった。
部屋に入ると私はかなり緊張していた。
部屋に入り、キャメルのコートをハンガーに掛けた。
ヤマザキはルームキーをテーブルに置くとソファに腰かけ携帯電話もテーブルの上に置いた。
「ちょっと派遣会社のエージェントから電話が掛かって来るかも知れないから、掛かってきたらごめんね…僕、電話に出るから…」
私は、別に仕事の件ならば構わないと思った。
「ええ、いいわ。それより先にシャワーを浴びていいかな?」
私はちょっと素っ気なく言ってしまう。
「うん、わかった。先にシャワー浴びて来て…」
私は彼のその声を背にしてシャワールームへと向かう。
シャワールームは思いのほか広く、とても綺麗だった。
私は黒のニットの上下を脱いでいく。
ブラとショーツも脱ぎ捨てるとシャワーの蛇口を思い切りひねった。
勢いよくシャワーのお湯がヘッドから流れ落ちて来た。
私はその熱い湯を肩から乳房、腰、脚へと流してゆく。
外はとても寒かったのでそのシャワーのお湯はとても心地よく感じた。
私は、ボディソープを手に取ると少し手で泡立てて左の腕に乗せて肩まで滑らせていった。
その泡を、乳房、腹部、陰部、そして脚のつま先まで丁寧に滑らせてゆく。
全身に泡を滑らせ身体中を念入りに洗っていった。
脚のつま先まで泡を這わせ終わるとシャワーで泡を流してゆく。