第3章 お持ち帰り
何と、大胆な事を言ってしまったのだろうか。
しかし、後悔はしていなかった。
「美都さん、ありがとう…」
ヤマザキはそう言うと私の肩を優しく抱いてきた。
肩を抱かれるなんて本当に久しぶりだったのでとても嬉しかったのだ。
このイケメン男性とこれからセックスをするのだ。
私の心臓は不安と期待でドキドキしていた。
私は、みなとみらい周辺のラブホを知らない。
だが、ヤマザキはみなとみらい周辺の地理にはとても詳しそうだった。
私たち二人は明るい陽の光が当たる道をラブホテル街へと歩いて行った。
みなとみらいの近くにこんなラブホ街があるとは私は知らなかったのだ。
ラブホに着くまで、余り喋らなかったのを覚えている。
ちょっとビジネスホテル風のラブホに入ってからだった。
ヤマザキはちょっと緊張していたようで、落ち着きがなかった。
それは、私も同じだった。
「どこの部屋にする?」
「どこでも、いいわ…」
そんな、素っ気ない返事をしてしまった。
ヤマザキがちょっと安めの部屋を選んでボタンを押した。
すると、自販機の飲み物が出てくる様なところからルームキーが出てきた。
それを、持つと私たちはエレベーターに乗り2階で降りた。
203号室の部屋のランプがチカチカと赤く点滅しているのが見えた。
そこに、吸い込まれるようにして私たちは部屋に入って行ったのだ。